天才少女の復讐法。
1冊の日記手帳。
第11章
<1冊の日記手帳。>
【雫side】
「……電話だったら
言いたいこと、言えるのに……」
相変わらず段ボールが目立つ家の中で
子犬を抱えながら…
あたしはそんなことを呟いた。
黒瀬に言いたいことは
他にもまだあったけれど……
これ以上話すのが辛かったから
一方的に電話を切ってしまった。
思い出とか…そうゆうのは作りたくない。
後々悲しくなるのは…自分だから。
……もしも次会えたら…
今日言えなかったことを、伝えようかな…。
「……なんて、次はないのに…ね」
気付けば、そんなことを呟いていた。