天才少女の復讐法。
「蒼波さん……犬好き?」
そんな言葉と同時に、
雫ちゃんの後ろから
リードで繋がれた子犬が出てきた。
「わんっ…!」
「か、可愛い〜!!
うん!わたし犬好きだよ…!
実はお家でも飼ってるんだー!」
そう言いながら、わたしはしゃがんで
子犬を撫でる。
「わんっ…!」
「可愛いねー!雫ちゃん、
子犬飼ってたんだね…!」
「…うん。でも、事情で飼えなくなっちゃって…
急だし、もし無理だったら良いんだけど
蒼波さん、あたしの代わりに
飼い主になってくれないかな…?」
「…へ?……うん!
わたしの家なら全然大丈夫だよ!
家にも子犬いるから
きっと仲良くなれると思うな…!」
「…え、ほんとにいいの…?」
「うん!それにわたし、雫ちゃんには
本当に感謝してるんだ…!
だから、雫ちゃんの頼みなら
何でもするよ…!」
そう言って、
わたしは雫ちゃんに微笑んだ。
「…本当にありがとう。頼れるの、
蒼波さんしかいなかったら良かった。
蒼波さんなら…子犬も幸せになれると思う」
そう言って、雫ちゃんは子犬を撫でた。
「わんっ…!」