天才少女の復讐法。


雫ちゃんは……気付いてたかな…?


ずっと我慢してたけど、本当はね……
会った直後から
涙が溢れそうだったんだよ__


『あたしは何があっても、
詩織ちゃんの味方だからね。』

『詩織ちゃんは幸せになってね』


さっき雫ちゃんに
言われたことを思い出す。


……すごく嬉しかった。


"ずっと味方"って、言ってくれたこと。
初めて名前で、呼んでくれたこと。
そして…こんなわたしを頼ってくれたこと。


雫ちゃんも、わたしのこと
友達って言ってくれている気がして…

認めてくれたような気がして…


すごく…すっごく嬉しかった…。


だけど……涙が溢れる理由はさ


嬉しさ…とは、ちょっと違くて……


「なんで…かなっ…。なんでもう二度と
会えないような気がするんだろうっ……」


涙の理由は……なんかものすごく
悲しかったからなんだよ__


「くぅん……」


きっと子犬も…わたしと同じ気持ちなんだね。


そんなことを思いながら、
わたしは子犬を抱き締めた……__


《第11章 完。》
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