天才少女の復讐法。


「ねぇ、煌弥くん……」


すぅっと深呼吸をして
あたしは再び、口を開いた。


「っ…あたしとの約束、覚えてる?」


「……約束?」


__そう。それは、以前煌弥くんと
お墓参りに行った時のこと……__



『煌弥くんはもう
あたしに関わらない方がいいよ』


そう言ったあたしに、煌弥くんは…


『雫のすべてを知ってても
俺はあんたの近くにいたいって思う』


だから、わざわざ離れる必要ないって…
そう言ってくれたよね。


そんな煌弥くんと
あたしは1つだけ約束を交わした。


それは……


『あたしが決めた復讐を
何があっても、止めないでほしいの。

あたしはずっと、1人で復讐をしてきた。
だから、誰かが近くにいることで
復讐心が揺らいだら嫌なの。
…父親だけは、絶対に許せないから。』


だから、『絶対に止めたりしないでね』って
約束をしたこと……


煌弥くんは覚えてるかな。


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