天才少女の復讐法。


「っ……俺さ、あんたに出会えて
まじで良かったよ……っ」


「……っ…あたしも…だよ。
煌弥くんといる時が
1番楽で……あたしらしくいられた。

こんなあたしの傍にいてくれて……
本当にありがとうっ…」


「っ……」


「………」


「っ……行くなら……

……行くなら、俺の手を振りほどいて
早く行けよッ……

俺から手を離すなんて
やっぱ出来ねぇから………

っ……俺の気が変わる前に
早く行ってくれ…」


「……ん」


そう言って、力強い煌弥くんの腕を
あたしは離した。


そして、前を向いて歩き出す。

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