天才少女の復讐法。


『……亡くなったお母さんは
お前の幸せを望んでるに決まってる。』


「っ……!」


不意に、いつの日か言われた…
黒瀬の言葉が頭をよぎる。


『もしも、お前が父親を
消そうとしてるなら……
お前は、母親とお姉さんを殺した父親と
同じになるってことなんだぞっ…?』


……分かってる。……っ…分かってるよ。


それでも良い……


__パサッ……


「……っ…」


不意に、ポケットに入っていた
お母さんの日記帳が落ちた。


家に置いてくるなんて出来ずに
常に持ち歩いてしまっていた……日記帳。


『娘達が、立派なオトナになりますように♪』


お母さんの日記に書かれていた、その言葉。


本当に良い……のかな……?


お母さんとお姉ちゃんを殺した父親と
同じになって……本当に良いのかなっ……?


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