天才少女の復讐法。
【雫side】
……まさか、黒瀬に見られていたとは…。
『会社前にいなかった?』
そう聞かれたときは、少し動揺した。
でも、動揺は1番してはいけないもの。
すればするほど、
弱点になってしまうからだ。
そして大事なのは……演技力。
堂々としていれば、例えそれが嘘でも
真実へと塗り替えることができる。
にしても…詰めが甘かったな、あたし。
完全に油断した。
今回は、何とか誤魔化せたから良かったけど
怪しまれてもおかしくない状況だった。
…たった数日で、
黒瀬があの会社に辿り着くなんて…
ちょっと意外だったかも。
ヒントをあげてから
黒瀬は3日ほど学校に来なかったから
きっと調べあげたのだろう。