【完】あんたなんか知らないっ!!
「あのさー、あんまり余計なこと言わないでよ。」
宿題を始めて30分。
早くも集中力が切れ始めた私たちは、いろいろムダ話をしながらのんびり進めていった。
「余計なことってなんだよ。」
「永斗さんのこと。
別に翠に庇って貰わなくてもちゃんと断るから。」
「...」
え、黙り込まないでよ。
顔をあげてみると、翠は耳に手を当てていた。
「...何してんの。」
「何も聞こえません。」
いや、絶対聞こえてるだろ。
「俺は、自分のしたいようにしてんの。
だから、碧海に何言われても変えるつもりはないし、別に庇うとかそーいうことじゃないから。」
だから、その『自分のしたいように』でこっちが困ってるのわかってんのか。
そんな私の思いに気付くはずもない。