【完】あんたなんか知らないっ!!
「あれ、碧海??」
「...えっ、香(コウ)??」
振り向くと、そこにいたのは中学のときの同級生だった。
「碧海、桃陵学園ってバイト禁止じゃ...」
桃陵学園...それは私が通っている高校のこと。
私たちの地域の高校はバイトOKなのが普通で、うちの高校みたいにバイト禁止なのは珍しい。
それを理由に受験しない人がいるぐらい。
「そーなんだけどね...
家の事情があって。」
「...そっか、まぁ聞かないよ。
ココア2つ、お持ち帰りで。」
香は気遣いが出来る優しい子で、私のことを無理に聞き出そうとはしなかった。
「また遊ぼーな。」
「もちろん!!」
香は笑うと、お店を出た。
「...背後からすごい殺気を感じるんですが。」