【完】あんたなんか知らないっ!!
翠も由香さんも、私が家に帰らない理由を聞かずに優しくしてくれる。
本当は言わなきゃいけないってわかってるんだけど、なかなか言うタイミングが...
「...甘えすぎちゃうんだよなぁ。」
私はみんなに甘えてるだけなんだよな。
本当はそんなんじゃダメなのに。
「...あのさ、嫌だったらいいけど。」
そう言われ顔をあげると翠は私にオムライスを乗ったスプーンを差し出してきた。
「はい、あーん。」
「...」
...何してんの??
「...いいから、早く食えって。」
そう言われとりあえず食べる。
「...美味しいね。」
「んな!!
うまいもの食べてるときは、うまいもののことしか考えない!!」
そう言って自分も一口食べようとすると、寸前でスプーンを置いた。
「どしたの??」
「ん、いや、なんでもない。」
そういってオムライスをまた食べ始めた。
てかさ、今間接キスしましたよね...??
でも本人は気にしてないみたいだし...
...私、女として扱われてないのかな。
そう思うと、胸が少し痛んだ気がした。