【完】あんたなんか知らないっ!!
第4章
"信実"と"真実"の違い -弥咲side-
「...ここでいい??」
そう言われて連れてこられた場所は二人用の椅子がある休憩スペースだった。
「...」
『わがままいっぱいいってごめんね』
『綺乃さんのことは気にしてないよ』
『大和の彼女は私だってわかってる』
『私が好きなのは大和だけだからね』
かけたい言葉はたくさんあるのに、なんで肝心なときに声がでないのかな。
「「あのさ!!」」
「...先いいよ。」
「いや、弥咲からいいよ。」
「いや、大和からお願い...」
なんでこうシンクロするかな...??
「あのさ、その、綺乃とは別に何もないから。」
「うん、わかってる。
気にしてなんか無いから。」
...違う。
気にしてなくなんて無い。
「そっか、気にしてないよな。」
「...違う。
ほんとは気にしてる。」
『考えてることがそっくり。
相手のこと気にしすぎなところとか。』
『まぁ二人の問題なんだから、二人で話し合えばいいよ。』
碧海はそう言ってくれたんだ。
気遣いなんてしすぎちゃだめなんだ。
自分の気持ちをしっかり伝えないと...