【完】あんたなんか知らないっ!!
「...で、キスしたと。」
「う、うん。」
碧海はため息をつくと私に聞こえるか聞こえないような声でなにか言い出した。
「泣くから余計もめたと思って心配して聞いてみればただののろけじゃん...
てかまだキスもしてなかったのかよ、私なんて翠と出会ってから1ヶ月ぐらいでキスされたってんのに...ってこれは無効だけどさ...」
...へ??
「あ、碧海翠くんとキスしたの!?」
「はぁ!?
し、してないからね!?」
「今したって言ったじゃん!!」
「してない!!
あんなのしたうちに入らないから!!」
ってことは数に入らないだけでしたんだよね...??
「碧海はさ、翠くんのこと好きなの??」
「...好きじゃないよ。
だいたい好きって感覚自体わかんないし。」
うーん。
この前翠くんに抱き締められてるところみたけど嫌そうな雰囲気はなかったし...
「...好きってさ、どうやって気付くの??」
「どうやってって...」
私の場合は...
「"守んなきゃ"って思ったからかな。」
「守るって...??」
「なんか大和って危なっかしいからさ。
私が横で補助しなきゃな。って思ったからかな。」