【完】あんたなんか知らないっ!!







「...お兄ちゃんなの、真田先生。
名字が違うから、碧海に言われるまでわからなかった。」




言われてみれば、似ているかもしれない。




「でも、なんで兄弟なのに同じ学校なの...??」


「...なんか私にはわかんないけど、兄弟ではなかったんだって、戸籍上はね。」




戸籍上...
なんか難しくてよくわかんないけど、ドラマとかでよく聞くやつだよね。




「でも、碧海のお母さん死んじゃって。
先生が碧海の家に帰ってきたんだって。

でも、上手くいくわけなかったの。
だって、先生からすればお父さんが浮気しなければって思うじゃん。

それで、先生とおじさんがケンカする。
碧海はその仲裁をしなきゃいけなくてね。」




先生とお父さんのケンカを止めるために、自分の時間を割くの??




「...碧海って家族思いなんだね。」




だから、あんなに将護の面倒をみてくれるんだ。




「私は、あんな家崩壊すればいいってずっと思ってきた。

...喧嘩の仲裁なんて、けが人を増やすだけだから。」




碧海は、きっと仲裁に入る度に自分の体を傷つけていたんだ。




「...碧海。」




そんな辛いこと、一人で耐えていたんだ。



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