【完】あんたなんか知らないっ!!
苦を知る者は幸を知る者
家に着くと、玄関には見るからに高級な車が停まっていた。
...お兄ちゃんの車だ。
「お兄ちゃん!!」
「...お前か。」
私の兄、真田 秀(サナダ スグル)。
頭が良くて、運動もできて、周りに愛されて。
年が離れているからか、私のことも可愛がってくれた。
親が離婚して、私とお兄ちゃんは離れて暮らすことになった。
私は父、お兄ちゃんは母に引き取られて。
それからは、週に一回、少なくても月に一回は会っていた。
会う度に遊んでくれて、私のわがままも聞いてくれた。
優しくて、自慢の兄"だった"。