【完】あんたなんか知らないっ!!
小4の夏、突然お兄ちゃんと連絡がつかなくなった。
お兄ちゃんと会ってることなんて誰にも言わず、那瑠にさえも隠し続けていた。
誰にも相談なんか出来なかった。
「...碧海、話がある。」
お兄ちゃんと連絡が取れなくなってから数週間。
学校から帰ると、いつもは家にいない父がなぜか帰宅していた。
「...話って何。」
基本的に、必要最低限の会話しかしたくなかった私には、向かい合って座ることすら苦痛に感じた。
「...菜摘が死んだ。」
菜摘。
それは私の母のことで。
母は、亡くなってから1ヶ月経っていたらしい。
「...お兄ちゃんは??」
「秀は...」
そういって口ごもる父に腹が立った。
自分の息子のことなのに。
「...再婚するから、お兄ちゃんは関係ないんだもんね。」
「碧海!?」
「...汚い、大人なんて。
子供のことなんて考えない。
私とお兄ちゃんが離れなきゃいけなくなったたのも自分のせいだってわかってんのかよ!!」
全部、この人のせい。
この人が浮気なんかしなければ、私がお母さんやお兄ちゃんと離れることもなかったのに。
「...再婚には反対しない。
その代わり、私には干渉しないで。」
こんな家、私には関係無い。