【完】あんたなんか知らないっ!!
「俺、碧海の中学校で働くことになった。」
「...え!?」
「やっと教員試験受かって。
来年から担任もてるようになったんだ。」
そういうお兄ちゃんの目はとても輝いていて、私もつられて嬉しくなった。
「...わかった。
お兄ちゃん、本当に戻ってくるんだよね??」
「ああ。
その代わり、周りには俺と兄妹だって言っちゃダメだからな。」
「わかってる。
じゃあ、あと2、3日は那瑠の家にいるから。」
「わかった。
じゃあ迎えに行くから那瑠ちゃんの住所教えて。」
私が父に願ってしまったお迎えを、お兄ちゃんは簡単にやってしまう。
...きっと彼女とかいたんだろうな...
「...」
「碧海、どーしたの??」
「...あ、別に何でもないよ。」
あれから数日。
那瑠に帰るとは伝えたものの、理由を伝えられずにいた。
「碧海、何考えてんのか知らないけど...
私は碧海の味方だから。
話したくないなら話さなくてもいいよ。
でも、辛くなったら頼ってね...」
那瑠は苦しげな顔で私にそういった。
「...ありがと。」
...私はそう言うことしかできなかった。