【完】あんたなんか知らないっ!!







「秀先生ばいばーい!!」


「さようなら、な。」


「先生、またサッカーやろーな。
てかサッカー部の顧問やってよ!!」


「やるのはいいけど顧問は却下。
ほら、早く部活行かないと工藤に怒られるぞ!!」




お兄ちゃんが先生になってから1ヶ月。
ゴールデンウィークも終わり、お兄ちゃんも先生が様になってきたみたいだ。




「お兄ちゃん、なんで顧問やらないの??
小さいときからサッカーやってたのに。」


「そりゃー、頭使えないから。
俺作戦練るのとか出来ないからなー。」


「へー、意外。」




学校から帰り、お兄ちゃんと自分の分の夜ごはんを作る。最近の私の日課だ。

父は、いつも外でご飯を食べる。

相変わらず、私たちの仲は良くなかった。




「あ、そうだ。
宿題でわかんないところあったから教えて。」


「まさか英語とか言わないよな??」


「あはは...」


なんて笑いながら話すことも出来るようになった。











"家族"って




こうやって出来るんだ。








そう思って疑わなかった。



< 138 / 243 >

この作品をシェア

pagetop