【完】あんたなんか知らないっ!!
「秀先生ばいばーい!!」
「さようなら、な。」
「先生、またサッカーやろーな。
てかサッカー部の顧問やってよ!!」
「やるのはいいけど顧問は却下。
ほら、早く部活行かないと工藤に怒られるぞ!!」
お兄ちゃんが先生になってから1ヶ月。
ゴールデンウィークも終わり、お兄ちゃんも先生が様になってきたみたいだ。
「お兄ちゃん、なんで顧問やらないの??
小さいときからサッカーやってたのに。」
「そりゃー、頭使えないから。
俺作戦練るのとか出来ないからなー。」
「へー、意外。」
学校から帰り、お兄ちゃんと自分の分の夜ごはんを作る。最近の私の日課だ。
父は、いつも外でご飯を食べる。
相変わらず、私たちの仲は良くなかった。
「あ、そうだ。
宿題でわかんないところあったから教えて。」
「まさか英語とか言わないよな??」
「あはは...」
なんて笑いながら話すことも出来るようになった。
"家族"って
こうやって出来るんだ。
そう思って疑わなかった。