【完】あんたなんか知らないっ!!
花瓶が割れた音で慌ててリビングにきたお兄ちゃんを見て、私は意識がなくなった。
起きたら、目の前にはお兄ちゃんがいた。
「碧海、大丈夫か...??」
「お兄ちゃん...」
「父さんは部屋で寝てる。
怪我も少し手を切ったぐらいだから心配するな。」
父はお兄ちゃんにどう説明したんだろう。
『少し話をしてたら碧海が花瓶を落とした。』
きっとそう言っただろう。
「碧海...
本当は何があったんだよ。」
俯くお兄ちゃんの顔は苦しそうで、その原因が私だと思うと、なんとも言えない気持ちになった。
「お兄ちゃん、どこもいかないよね...??」
「...ああ。」
そういって私の頭を撫でた。
そのときには、もうずれていたんだ。
私たちの歯車がー