【完】あんたなんか知らないっ!!
「あ、田渕くん...」
「碧海ちゃん一人??...じゃないよね。」
田渕くんって私のこと名前で呼んでたかな...??
「うん、友達とね...」
嘘はついていないのに少しだけ痛む胸。
「おい、なにしてんだよ。」
「み、翠...」
翠は田渕くんを見ると、「なんだお前かよ」と呟いた。
「園田と来てたんだ...」
ははっ、と乾いた笑いが聞こえる。
なんか、ますます胸が痛くなるよ...
「...じゃあ俺友達待たせてるから行くな。
千崎さん、今度は俺ともでかけてね。」
それだけいって、田渕くんは人混みのなかに消えてしまった。