【完】あんたなんか知らないっ!!
田渕くんがいなくなったあと、なんとなく気まずいままの私たち。
「...時間までに何か買って座ろう。」
「う、うん。
私チョコバナナ食べたいなー」
それからたくさん買って、射的では可愛いキーホルダーのぬいぐるみを取ってくれたりして。
なんだかんだであっという間に過ぎてしまった。
「ここでいいか??」
川沿いに着くと、少しスペースの空いたところに座った。
「「今日さ」」
「お先にどうぞ...」
「あ、ありがと。」
私は少し翠の方に体を向ける。
『あいさつとお礼は、人の目を見て』
お母さんが教えてくれた数少ない言葉。
「今日は、誘ってくれてありがとう...
すごく楽しかった。」
「お、おう。
俺も楽しかった。」
暗くてちゃんと見えなかったけど、きっと笑顔だったよね??
「碧海、好きだよ...」
なんて呟いている声は、私には届かない。