【完】あんたなんか知らないっ!!
「...」
今日はいつにも増して不機嫌オーラ全快の翠。
心なしか視線は私に向いているような気がする。
「碧海ちゃん、休憩入ってー」
「あ、はい!!」
休憩室に行くとやっぱり不機嫌な翠。
何かしたかな、なんて考えていると目があってしまった。
「...なぁ。」
「は、はい??」
「...なんでもねえよ。」
...最後に舌打ちが聞こえたような気もしないけど。
なんかイライラしてるなら放っておこうかななんて考えてたのに。
「...メイク、似合ってないから落とせよ。」
なんて言われたから腹が立った。
「...余計なお世話だから!!
別にあんたに見せるためにしてきた訳じゃないのになんで言われなきゃいけないの!!」
思ってもいない暴言に、言ったことを後悔したけど時既に遅し。
なぜか傷付いた顔をしていた翠をよそに私の暴言はエスカレートする。
「付き合ってもいないのに何回もキスしてきて、私の気持ちも考えてよ!!
あんたなんか知らない、話しかけてくんな!!」
ついに、言ってしまった。
絶対言わないって決めてたのに。