【完】あんたなんか知らないっ!!
言ってしまったことはもう消せない、一体何をしているんだろう。
「碧海ちゃん、いる??」
永斗さんが訪ねて来たかと思うと、翠は勢いよく席をたって出ていった。
「なんか期限悪いねー、翠。
まさか、何かあったんじゃないの??」
なんて明るく聞いてくる永斗さんに何も言えない私。
それを肯定と受け取ったのか、笑いながらさっきまで翠が座っていた場所に座った。
「まったく、二人とも素直じゃないんだから。
呆れるよ、兄弟喧嘩みたいじゃないか。」
なんて笑い飛ばすけどその笑顔がより辛く感じる。
「碧海ちゃん、素直にならないと何も始まらないよ??」
「...わかってるんですけどね。
どうすればいいんでしょうか。」
笑いながら聞くけど、言ってて自分が悲しくなる現実。
目を背けたくなるのはその先に恐怖しかないと知っているから。
「おいで、碧海ちゃん。
泣きたいときは、泣こう。」
そういって手を広げる永斗さんにすがりついてしまうのは、そのなかに安心があるのを知っているから。