【完】あんたなんか知らないっ!!
自分勝手な"嫉妬" -翠side-
「...追いかけなくていいの??」
「...別に。」
ふぅん、と興味無さそうに返事をされるけど、声のトーンから面白がっていることがわかる。
ため息を漏らさずにはいられないけど、現状を作った原因は紛れもなく自分な訳で。
「好きならもう少し素直になればいいのに。」
「...わかってるよ。」
わかってるのに、頭ではわかってるのに。
身体が勝手に動く、なんて言い訳にすぎないけど。
そう思わずにはいられなかった。
「自分勝手も程々にしないとほんとに田渕のところ行っちゃうよ??」
まるで『まだ』田渕のところにはいないとでも言っているようで、委員長は一体何をどこまで知っているんだろう。
「...はぁ、なに考えてるのか知らないけど、さっさと動いたら??」
「...行ってくるわ。」
「行ってらっしゃい。」
いまどこにいるかなんてわからないけど。
背中を押されたからには動かずにはいられなかった。