【完】あんたなんか知らないっ!!
「だからね、お願い。
私のことを振ってください...」
切れる寸前の弦を弾いたかのようなか細い声は、聞き直したら切れてしまいそうな楽器のようだった。
「なんで...
俺だって碧海のこと好きなんだよ...??」
「ありがとう...
でも、未練が残ってる翠となんて私、付き合えないよ。」
「み、れんって「伝えてないんでしょ??優宇さんに、本当の気持ち。」
碧海からでたのは"誰にも"いっていないはずの気持ちで。
ちゃんと鍵をかけて閉まったのに...
鍵を簡単に開けるなんて、ひどいじゃないか。
なんて、いってる場合じゃないけどな。
「翠、もし何かあるなら話してほしい。
一人で抱え込まないで...」
そういって顔を覗き込んでくる。
「わかった...」
俺は、碧海に全てを話した。