【完】あんたなんか知らないっ!!
『翠、あとで俺の家来てくれ。』
『...??』
ある日の帰り、理都にそう言われて家に向かうと、理都はなぜか出掛ける準備をしていた。
『呼び出しておいて出掛けるの??』
『あ、翠。
お前も一緒に出掛けんだよ。』
『...は??』
そういって理都のお母さんに送ってもらって着いた先は話題のショッピングモールだった。
『あんなに深刻そうな顔してプレゼント選びかよ...
心配して損したわ。』
なんて明るく振る舞うけど内心とても暗く、自分が自分でないようにも思えた。
呼び出しの理由は優宇の誕生日プレゼント選びだった。
きっと理都からもらうならなんでもいいだろうに。
それでもカッコつけていいものあげたいのが彼氏というものなのか?
幼いながらにそう考えた記憶がある。
『これなんかどうだ?』
『...いいんじゃないか?』
それでも、二人のためなら。
そう思って自分の心に蓋をした。