【完】あんたなんか知らないっ!!





〈1日目 入学式〉

そう書かれたあと、翠の隠し撮りの写真と弥咲と撮った私の写真がでてきた。


〈14日目 バイト先で遭遇〉

〈2ヶ月目 結婚式〉


「この書き方私たちの結婚式みたいじゃん...」

思わず笑ってしまい、大和に怒られるなと思ってしまう。


〈3ヶ月目 修学旅行
沖縄の海
現地学習の日に碧海は風邪を引いたね〉

ふざけて撮った体温計の写真に思わず吹き出す。

〈翠は付きっきりで看病をしてたよ〉

流れてきた動画には、翠が飲み物を買ってる映像で、きっとそれは私に買ってきてくれていたものだろう。



「...ありがとう。」



〈二人のおかげで
俺たちは付き合えました

本当にありがとう〉


最後にみんなで撮った写真とでてきたその言葉に、思わず涙が出そうになる。

私はその手ですぐに大和に電話した。



『もしもし、動画みてくれた?』


「うん...
大和、こちらこそ本当にありがとう。

入学式のとき、大和が話しかけてくれなかったらこんなに仲良くなることなんてなかったと思うんだ。

...そう思ったら電話かけずにはいられませんでした。」


『なにそれ照れるわ。
あ、いい忘れたけど動画に使った画像も入ってるのでぜひ使ってください、機会があれば。』


「え、ありがとう!!
大切に使わせていただきます、機会があれば。」


『ぜひそうしてくれ。
もう遅いから早めに寝ろよ、おやすみ。』


「うん、おやすみ!」


電話を切り、画像フォルダを見るとたくさんの写真が入っていた。


「大切にさせていただきます。」


SDカードを引き出しにしまい、寝る準備をする。
由香さんからのプレゼントは、明日の楽しみにしよう。




―鞄のなかに、"何かが"入っているとは知らずに。





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