【完】あんたなんか知らないっ!!
「由香さん...」
もうひとつの封筒に入っていたのは、翠の小さい頃からの写真だった。
こんなに大切なものを、私なんかに渡していいのかな。
...まだ付き合ってもいないのに。
「...用意しよう。」
これから那瑠の家で誕生日会。
いくら家族のような存在とはいえ遅刻なんてできない。
「行ってきます。」
誰もいない家に挨拶をして、私は家を出た。
「碧海、お誕生日おめでとー!」
「ありがとう!」
毎年大好きな料理とケーキを用意してくれる羽瑠とおばさん。
10年以上続けてくれる三井家には、感謝してもしきれない。
「いつも、ありがとう...
感謝してもしきれないよ...」