【完】あんたなんか知らないっ!!
「そーいえばさ...」
お店が空いてきたタイミングで封筒を出す。
「これ、この前渡された。」
なぜか俯いて、無愛想になってしまう私の言葉。
「...あいつ、結婚するんだ。」
放った声は、いつもより柔らかくて、園田にとって優宇さんが大事な人なのが嫌でも伝わった。
「優宇さん、すごいきれいな人だね。」
無理に笑顔をつくって話しかける。
そうしないと、涙が溢れそうだったから。
「どーした??」
「優宇さんってさ、元カノさん??」
「んー、そんなとこかな。」
笑いながら招待状を封筒に戻す。
その仕草が様になっていて、私たちの距離が離れた感覚になった。