【完】あんたなんか知らないっ!!







「...翠、おいで??」




まるで子供に向けるような優しい目で、碧海は手を広げてきた。




「...っ」




泣くな、男だろ。
男の子に向かって呟いたのは、間違えなく俺自身なのに。




「...よしよし。」




なぜ、涙が止まらないんだろう。




「なんで泣いてんのか気になるけど、聞かないであげる。」




笑いながらそういう碧海は、母のような暖かさがあった。


あの男の子は、母親に会うことが出来たのだろうか。


あの男の子は、一体誰なんだろうか。


たくさんの思いが駆け抜ける。









...碧海、好きだ。








この想い、押さえる術を教えてください。



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