【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「そうです。美麗、貴方はいつが休みですか?」

「休み……、明日は半休です。お店はいつも木曜が御休みです」

「なるほど。では木曜にデートしましょう」

「デート!?」
二十一年間生きてきた中で、全く縁の無かった単語が出てきて、思わずお味噌汁を零してしまいそうになる。

「はい。デート。美麗さえ嫌でなかったら一緒に指輪を選びませんか?」
「指輪」
眩暈が起きそうな単語に、納豆へ箸を突き刺しなんとか思いとどまった。

「そして、回転天ぷらの店と、布の生地を見て回り、美味しいスイーツを食べ、観覧車の頂上で」
「わーわー! そんなに一気に回れませんよ。少しずつにしましょう」
「そうですか……」

しゅんと肩を落とし、納豆と卵を混ぜ終えるといじいじとご飯へかけて食べだす。

確かにデイビットさんは楽しそうに全部回れそうな気がするけど、それこそ全部私には初めてだらけだから、無理だ。
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