【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
なんて声をかけて良いか分からず、黙っておはぎのレジ打ちをしてしまった。
幹太さんは、自分の事より仕事と桔梗さんを優先している節がるから、フォローする言葉が出てこない。
「そういえばお姉ちゃん入籍いつするの?」
「1600円ですって……え?」
「デイビットさん、ご両親はもう亡くなっているって知ってた?」
「知らない知らない!」
もしや、人の事を心配している場合ではない?
私と彼は、まだ知りあって日も浅いと言いわけしても、私は彼の事を知らなさすぎる。
「だから此方の事は気にしないで、入籍や式は美麗の希望を聞くつもりですって、お母さんに話してたよ」
美鈴から代金を受けとり、レシートを渡す。
その間に、小百合さんがおはぎを纏めて下さっていた。
「そ、だったんだ」
「うん。優しくて、格好良いし、私はデイビットさんがお兄さんで嬉しいよ。だからまた、お姉ちゃんが爆発しちゃう前にちゃんと話しあってね?」
「爆発なんてしません!」