【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
今日は、自分の事もままならない癖に、幹太さんの顔をちらちら見てしまった。
一人、パートも御休みなので、休憩は小百合さんと交代で、一人寂しく賄いの鮭雑炊を頂いた。
母子手帳の母の名前は自分の名前を書いたけど、父の名前は書いたとして入籍したら私の名前はどうなるんだろう。
確か、デイビーの名字はブラフォード?
美麗・ブラフォード?
ブラフォードさんっとか呼ばれるのかな?
そこらへんももっと具体的に話し合っていくんだよね。
結婚式も、妊娠しているのにするのかな?
気になりだしたら、どんどん問題は出てくる。
でも、私だけでは何一つ分からないことだらけ。
彼と二人で周りを巻きこんで結婚するんだ。
言葉を出さなきゃ、皆に迷惑かけちゃうし。
仕事中なのに、今すぐデイビーの笑顔が見たい。私の疑問を一つ一つ『ふむふむ』って頷きながら聞いてほしい。
気持ちは積もる。焦る。焦れる。
まずは、……昨日の御礼をちゃんと言わなきゃ。
財布をロッカーから取り出すと、私は近くの文房具店へ目指した。