【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「はい。お願いします」
「!」

知らない、私、お祖母さまの婚約指輪なんて知らないよ!
うろたえる私の手を、デイビーは握るとウインクなんてして微笑む。

ビロードの箱を開くと、デイビーと同じ瞳の色のダイヤが輝く指輪が仕舞われていた。

「ロイヤルブルーサファイアって名前の宝石なんですが、この飴玉が乗っかっているような指輪のデザインがどうも私は古臭くて嫌なんです。それに服に引っかかっても危ないですし」

「えええ!? でもお祖母さまの大切なものなんじゃ」

「私が貰ったから私のものです」


「えええええ」


私が慌てている間に、どんどん話は進んでいき驚いてる暇なんてない。

色んなデザインを見せられ、私もいつの間にか興奮しながら選んじゃったけれども。
結局決まったデザインだと、宝石を削らなきゃいけないらしい。

削った宝石でイヤリングも作れるからと、パンフレットも貰ってしまった。
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