【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
結婚指輪は、桜の花びらが舞っているような彫刻のデザインが何枚か既に出来ていて、桜に形どられたピンクダイヤを内側に埋めたいとのこと。
そのデザインを見た時、可愛くて息が詰まるかと思った。
でも一番うれしかったのは、デイビーが桜が舞う、あの初めての賭けの日を大事にしていることが嬉しかった。
だから、私からは指輪の内側にデイビーと同じ瞳の宝石も入れて欲しいと提案しただけ。
はっきり言って、分からないことばかりだからこんな風に説明してくれて意見を聞いたのちに何個かデザインを出してくれたりほぼ決めてくれていたのは嬉しかった。
「後は、結婚する日にちを内側に刻めば出来上がりですね」
「な、なんか恐ろしい金額だったのですが大丈夫ですか?」
満足げなデイビーの艶々した顔とは反対に私は見たこともない金額が並んでいて、未だにちょっと呆然としている。
「一生に一回なんですから、気にしないでください」
さ、行きましょうとデイビーは私の手を掴むとウキウキと歩いて行く。
ど、どうか、これ以上高額な場所には行きませんように!
私の願いを神様は叶えてくれたのか次に向かった場所は――手芸屋さんだった。