【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

それから、布を選んでみた。
せっかく作るなら、ボロボロになってもいいけどしっかりした布で作った方が長持ちすると思うし。

店員さんに聞いて、難易度が高いと言うのにデイビーはもこもこのボア素材の生地と、桜模様のピンクの生地も買っていた。彼は、もう子供は女の子だと確信しているらしい。

型紙や、細かく縫う事で丈夫になると店員に縫い方のコツなどを聞き、手帳にメモしていた。

「美麗は良いのですか?」

クマのキャラクターが描かれたショップ袋が似合わないのに、嬉しそうに持っているデイビーにそう聞かれた。
私は、布はちょっと思うところがあり買わず、綿やリボンしか買わなかったから。

「はい。作り始める時まで待ってて下さい」

ふふ、と笑うとデイビーは眩しげに笑う。

「貴方は、――本当に笑うと綺麗ですね」

そんな、そこらへんの日本男児が言えばキザったらしく聞こえる台詞を、自然と言ってしまう。
私は、毎日彼にドキドキさせられるのだろうか。

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