【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
酷いワガママだ。彼の事も、彼の仕事も考えない、自分だけの気持ちを優先にした、我儘。
「分かりました」
彼の受け止めてはくれたけど、口を押さえて下を向いてしまった。
我儘できっと厭きられている。
それがとても悲しくて。
でも、中途半端なまま着いてくより、はっきりこう言うしかなくて。
「泣かせてごめんなさい。ぎゅってしてキスするから、――許して下さいね」
デイビーは、そう言うと私をそのまま胸に押しつけるようにぎゅうぎゅうに抱き締めてて、頭にすりすりすり寄って、何度も何度も額に口づけしてくる。
「泣かせて、でもこんなにいじらしくて、純粋で。――どうか美麗、私の嘘を御許しください」
「え?」
嘘?
今、嘘って言った?
「どれぐらい貴方がその道へ進むのに本気かどうか試してしまいました」
「試すって……え?」
「嘘です。任期が終わるのは嘘です」
「ええ!?」
「離れたくないと、涙を溜める美麗、可愛かった。ああ、お腹に愛しいわが子が居なかったら大変なことでした」