【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「デイビーはそうかもしれないけど」

「ただ私は負ける賭けはしないだけです」
後ろで髪を撫でながら、デイビーは簡単にそう言う。でも、彼だからこそ、この入り組んで複雑なうちの事情を知らない彼だからこそ、私をさらってくれたんだと思う。
「賭けで楽しく、甘い時間を手に入れるのは、自分の運命であり実力だからこそ面白い」
「デイビーのそんな所、すごく羨ましいです」
何でも前向きにとらえて、楽しい場を提供してくれる。
だから貴方と二人きりの時は、空気が甘くて、私は満たされるんだ。

「美麗も頑張っていますよ。自分なんて何もないと泣いていたあの日が嘘みたいです。
書道も習いたいけど、御店も手伝いたいとこんなに日々吸収しようと頑張っている。頑張り過ぎてから回っても可愛いし、失敗して落ち込んでも泣かなくなった姿も食べたいぐらい可愛いですし、あと大きなお腹でポテポテ歩く姿が危なっかしくて愛おしいです。あと、可愛い」

「……デイビー」

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