【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「デイビーがどんな顔をするのか、賭けてみたんです」

驚いてうろたえてくれるかと思ったのに。

「じゃあ、私は初めて負けましたか?」
「いいえ。予想以上に嬉しい表情をしてくれました」

畳に流れおちた私の髪を、指でくるくると掬い、口元に持ってくると深き口づけを落とす。
その色っぽい唇が、好き。触れて欲しくなる。

「じゃあ、桜が咲く賭けは私も負けても勝っても幸せだからどちらでも嬉しいです」

――私もです。
だから、いっぱいキスしていっぱい抱き締め合って、もっともっと甘い恋の賭けをしよう。

優しくデイビーの唇に触れると、手首を捕まえられてそのまま捕われるように甘いキスをした。

ずっとずっと甘い賭けの中にいるような、捕えて離さない優しいキスを。


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