【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
日高さんには気にすることはないよと笑って励まされた。
日高さんの噂の方が、――陰湿に感じていたけど当の本人がそう言うならば。
強い人だと思う。
反対に、私はさっきのパートさんたちの話で、飲み物さえ飲みたくないぐらい唇が重く、震えてしまっていた。
「そう言えば、ロッカーに私物置いてたけど、土曜の18時に取りに来るんだよね?」
デイビットさんの洋服をロッカーへ避難する事を日高さんにだけは大丈夫か聞いていた。
問題無いと、日高さんのロッカーを見ると、お昼ご飯様に買っていたらしいカップラーメンが段ボールごと入っていた。
妊娠前はこれで済ませていたらしい。
「はい。あの、何時まで開いてますか? 此処で着替えてから行くので帰りも着替えに寄りたいのですが」
「私は21時までいるよ。それ以降なら、幹太が一人で修業しているらしいから言っといてあげるけど」
「幹太さん……」
イベントの開始時間は18:30。
どんな事をするか見当もつかない。
結婚式のように食事が運ばれてくるのだとしたら、――21時以降になってしまいそう。