【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!

「大丈夫大丈夫。幹太は見た目が怖いけど、良い奴だから前もって言ってたら何も言わないよ」
「でも」
「怖いんだ」

クスクスと笑いながら、痛いところを突いてくる。

怖いし、昔の記憶が蘇るから――話したくないのに。

「でも、鹿取さんの妹さん、美鈴ちゃんだっけ? あの子は冷たくされてもお使いの度に笑顔で幹太に話しかけてたわよ」

美鈴みたいに、人見知りもなく社交的な子には幹太さんは平気なんだ。


「あはは。固まってる固まってる。しょうがないから私も一緒に言ってあげるよ」

そう言ってくれたので勝手に大船に乗った気持ちでいた。
幹太さんも頷いてくれていたし。
でもこれで、私のイベント当日の問題はクリアした。

後は当日を待つのみ。

賭けで負けた罰ゲームだ。お手伝いを一杯してちゃんと負け分は働かなくては。

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