【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
デイビットさんは、そんな風に初めてだと泣く私を優しく抱いた。奉仕するように、一つ一つを丁寧に、そして暴いていく。足のつま先から、髪の毛一本まで丁寧に丁寧に扱われる。
馬鹿な日本人の一人だと思われているかもしれない。言い寄って来る日本人の一人でしかないかもしれない。でもそれでもいい。この人は少しだけ、鳥かごから出して外を見せてくれたのだ。
初めてを知らない人に捧げるぐらいなら、金髪碧眼の王子様に捧げてもいいじゃない。一夜だけ、賭け事にノッて、魔法をかけられた気分に浸っても。
戸惑う私に、デイビットさんは優しく耳元で囁いた。
「では私のキスで貴方が蕩けるか賭けませんか?」
その言葉が紡ぎ出される優しい唇が、私に優しく触れた。
賭ける必要なんてない。蕩けて溶けて、一つになるんだから。