【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!
「――ふぅ」
結局、桔梗さんは幹太さんが病院に送って早退した。
小百合さんとの仕事は、私が気付くよりどんどん小百合さんが仕事をしているので、ボーっとしていることが多いので、仕事を見つけるのが大変だった。
これじゃ桔梗さんが産休に入ったら、迷惑掛けてしまいそう。
「おい」
休憩室から出てきた私を、腕組みして壁にもたれていた幹太さんが待ち構えていた。
ついドアを閉めてしまいそうになったら、足を入れらて舌うちされる。
「いちいち怖がるな」
「や、今のは無理です」
待ち伏せされてたのかと思ったら、びくびくと扉に顔を半分隠す。
「お前、具合悪いのか?」
「具合?」
幹太さんが私を穴が開きそうなほど見下ろしてくるから、私も首を傾げながら見つめる。
眼付きとか怖いから、心臓が飛びあがりそうなのに、――なぜか低いこの声からは心配されているのが感じられて嫌いではなかった。
「気づかない内に、限界までストレス貯めそうな暗い顔してるから」
「心配してくれたんですね。ありがとうございます」