難攻不落な彼女
「俺、橘蓮。鈴木さんの後ろの後ろの席だよ。よろしくね。」


「私、田中ありさ!蓮君の後ろの席だよ!よろしくね!」


蓮が挨拶したのをきっかけに、みんなが自己紹介をしていく。涼介がそれを黙って眺めていると、



「さっくら〜!!おはよう!!」



女の子が咲良に抱きついてきた。

結構な勢いで抱きつかれた咲良は、すこしバランスを崩したが、その子を咎める気配もなく、笑顔で返した。


「おはよう、由衣。朝から元気だね!」



涼介は、由衣と呼ばれるその子に見覚えがあった。


「吉田?」


涼介に呼ばれた由衣は、


「げっ、糸井涼介!」

咲良に抱きついた、吉田由衣は、涼介と同じ中学だった。


そして、由衣は涼介を毛嫌いしている。「由衣、知り合いなの?」


咲良の問いに、由衣は全否定する。



「違う違う!!こんなちょっと顔が良いからって調子に乗ってる男なんて、知り合いじゃない!!」


「何?!その言い方!感じ悪いんだけど!!」



由衣の発言に涼介を囲んでいた女の子が反応した。

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