難攻不落な彼女
「本当に仲いいよね〜。糸井君達。」



涼介は、蓮の他に山中颯太とういクラスメイトと3人でいることが多い。
山中颯太は高校に入ってから出来た友達で、子犬のような印象を持つ明るい性格だ。


「それを言うなら、鈴木さんだって、吉田と仲良いよね。」

「うん。1年の時にクラスが一緒だったんだよね。
 糸井君と、橘君は由衣と中学一緒だったんだよね?」


「そうだよ。」


「あのさぁ、あの2人って前からあんなんなの?」



咲良の問いに涼介は黙る。あの2人とは、いつも夫婦喧嘩のようなことを繰り返している蓮と由衣のことで間違いないだろうと思った。


「うん。あの2人は小学校からの知り合いらしくて、俺が中学で蓮と知り合ったときにはもうあんな感じだったよ。」


「そう・・・」


まだ、話は続きそうだったが、教室に戻る咲良と、別のところで食べる涼介が分かれるところに来た。


「じゃあ、俺こっちだから。」


涼介が手を挙げて、去ろうとすると、


「うん。ジュース、本当にありがとう。マジで助かりました。」


咲良がペコッと頭を下げた。


「いやいや、頭下げられるようなことしてないし、気にしないで」


焦る涼介と、頭を上げた咲良の視線がぶつかる。


見つめ合う、二人。



「ふふ。」「ハハ。」



どちらともなく笑いが起こり、



「じゃあ!」



「うん。後でね!」


2人は分かれた。



「遅かったじゃん。」




合流した涼介に、颯太が言う。



涼介の持っているものを見ながら蓮が言う。


「あれ?カフェオレ?珍しいじゃん。」


「まぁね。ちょっと飲みたくなって。」



この日をきっかけに2人は、よく話すようになる。
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