難攻不落な彼女
「違う違う。驚いたのはそこじゃなくて。私も兄が3人いて4人兄妹だから。
 10歳上と7歳上と3歳上だよ。一番したのお兄ちゃんは、糸井君のとこのお兄さんと同い年だね。」


「あ、そう言えば、初めに吉田がそんなこと言ってたな。イケメンのお兄さんがいるって」


「イケメンかはわからないけど、3人いるよ。
 だから、ちょっとわかるよ。兄が結構目立つからさぁ『お前、鈴木の妹か?』って知らない人とか先生とかによく言われたもん。

 内心、どの兄のこと言ってんだろ?とか思ってた。」


「わかるわかる。中学とかで、初めてしゃべった先生に、『お前、あの糸井の弟か?』とか聞かれて、どっちの兄貴だろ?とか思ったもん。」

意外な共通点で盛り上がる2人。


「だからさ、名字でなくて、名前でお願いします。」



改めて言う。


わかった。じゃあ、涼介君って呼ぶよ!私のことも名前で良いよ。」



「え?良いの?やったね!!実はさぁ、兄貴の知り合いに鈴木って人がいて、鈴木さんの名前呼ぶたびに、その人がチラついてたんだよね〜。」


「何それ?何か失礼じゃない?」


笑いながら咲良が言うと、焦った涼介が言った。


「ごめん、ごめん。ちょっと威圧感ハンパない人だけど、すっげーイケメンだから許して!」

「それ、フォローになってないよ!」


「まぁ、それはおいといて、俺のことは、名前で呼んで下さいって話ですよ。」


「わかったよ。」

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