難攻不落な彼女
兄妹と言われてみれば、確かに2人は似ていた。
ただ、2人の持つ雰囲気が違いすぎて気づかなかったのだ。
それでも、涼介は、その綺麗な顔立ちと、鈴木という名字で咲良をみて、司を無意識に連想したのだ。
それくらい司の存在は涼介にとって強烈だった。
「ヤバいよ!咲良ちゃん!!」
涼介が色々頭を整理していると、横から恵介言った。
「巧さん、今日、急な事件で帰れなくなったんでしょ?
それで、『咲良ちゃんが家に一人になるからってあんまり遅くならないように』って司に連絡がきたから、司、急いで帰ったんだよ!」
咲良の父の篤は、有名な建築士で、今は他県に仕事に行っている。母の百花も父の仕事の右腕として同行していない。
今日は、長男はデート。司は友達と食事に行く約束があり、家には巧と咲良の二人っきりのはずだった。
しかし、警察官をしている巧は、急な事件で家に帰られなくなったのだ。
涼介が声をかけたとき、咲良は巧からの連絡を見たところだったのだ。
咲良が司の妹と聞いて、咲良の家庭環境が何となく把握できた涼介。
そして、恵介がよく言っていたのだ。
「司は妹を溺愛している。」と
つまり、司の溺愛してる妹とは咲良のことで、司は今、咲良が家に一人でいると思って家路を急いでいる。
そんな司が、涼介が咲良を家に招いて、夕食まで作らせたとなると、かなりヤバい。
涼介の脳裏に、威圧感たっぷりの司が浮かび、思わず身震いする。
慌てる恵介に咲良がのんびりと言う
「え?大丈夫だよ。ちゃんと友達の家でご飯食べるって連絡してあるから。
それに、さっき、そろそろ友達の家を出るって連絡したから、まだいなくても驚かないよ。」
にっこりと笑う咲良の顔を見ながら、涼介と恵介の心の声がハモる。
((そう言う問題じゃない気がする!!!))
「とにかく、早く送って行け!」
浩介の言葉に、涼介は頷く。
「司君が心配するから、早く行こう!!」
「うん。
じゃあ、ありがとうございました!」
咲良が頭を下げる。
「咲良ちゃん、また来てね!!」
あまり司と接点のなかった陽介が明るく言う。
「うん、バイバイ!」
「ありがとう、咲良ちゃん、ご飯美味しかったよ。今度は普通に遊びに来てね」
何となく司を知っている浩介は、多分、今度なんて無いなと思いながらも手を振る。
「じゃあ、咲良ちゃん、またね。司によろしく!」
「はい、恵介君もまた、うちに遊びに来てね」
笑顔で帰って行った咲良を見送って、弟の後ろ姿を見ながら恵介は思う。
(生きて帰って来いよ・・・)
ただ、2人の持つ雰囲気が違いすぎて気づかなかったのだ。
それでも、涼介は、その綺麗な顔立ちと、鈴木という名字で咲良をみて、司を無意識に連想したのだ。
それくらい司の存在は涼介にとって強烈だった。
「ヤバいよ!咲良ちゃん!!」
涼介が色々頭を整理していると、横から恵介言った。
「巧さん、今日、急な事件で帰れなくなったんでしょ?
それで、『咲良ちゃんが家に一人になるからってあんまり遅くならないように』って司に連絡がきたから、司、急いで帰ったんだよ!」
咲良の父の篤は、有名な建築士で、今は他県に仕事に行っている。母の百花も父の仕事の右腕として同行していない。
今日は、長男はデート。司は友達と食事に行く約束があり、家には巧と咲良の二人っきりのはずだった。
しかし、警察官をしている巧は、急な事件で家に帰られなくなったのだ。
涼介が声をかけたとき、咲良は巧からの連絡を見たところだったのだ。
咲良が司の妹と聞いて、咲良の家庭環境が何となく把握できた涼介。
そして、恵介がよく言っていたのだ。
「司は妹を溺愛している。」と
つまり、司の溺愛してる妹とは咲良のことで、司は今、咲良が家に一人でいると思って家路を急いでいる。
そんな司が、涼介が咲良を家に招いて、夕食まで作らせたとなると、かなりヤバい。
涼介の脳裏に、威圧感たっぷりの司が浮かび、思わず身震いする。
慌てる恵介に咲良がのんびりと言う
「え?大丈夫だよ。ちゃんと友達の家でご飯食べるって連絡してあるから。
それに、さっき、そろそろ友達の家を出るって連絡したから、まだいなくても驚かないよ。」
にっこりと笑う咲良の顔を見ながら、涼介と恵介の心の声がハモる。
((そう言う問題じゃない気がする!!!))
「とにかく、早く送って行け!」
浩介の言葉に、涼介は頷く。
「司君が心配するから、早く行こう!!」
「うん。
じゃあ、ありがとうございました!」
咲良が頭を下げる。
「咲良ちゃん、また来てね!!」
あまり司と接点のなかった陽介が明るく言う。
「うん、バイバイ!」
「ありがとう、咲良ちゃん、ご飯美味しかったよ。今度は普通に遊びに来てね」
何となく司を知っている浩介は、多分、今度なんて無いなと思いながらも手を振る。
「じゃあ、咲良ちゃん、またね。司によろしく!」
「はい、恵介君もまた、うちに遊びに来てね」
笑顔で帰って行った咲良を見送って、弟の後ろ姿を見ながら恵介は思う。
(生きて帰って来いよ・・・)