難攻不落な彼女
5章 大好きな彼女
「俺、咲良ちゃんのこと好きだ〜」
次の日の昼休み、涼介は蓮と颯太の前でつぶやいた。
「いやいや、今更だろ。」
「そうだよ。今更だよ。」
二人に言われ、涼介はふくれた。
「でもさぁ、涼介もあえて咲良ちゃんっていうのがね〜」
「そうだな。あえての鈴木さんだな」
「それってどう言う意味?」
二人に言われ、不思議に思った涼介が尋ねると、
「だって、涼介ならもっと簡単に付き合える子いるでしょ。」
「そうそう。涼介が好きになった時点で、もう何の問題もない感じ。」
ニヤニヤしながら言う二人に、からかわれていると自覚しながらも、涼介は反論した。
「簡単に付き合えるとかで、人を好きになったりしないでしょ!」
涼介の台詞に二人は更にニヤニヤした。
「はぁ〜」
窓辺に肘をついて、外を見れば、見覚えのある姿が見える。
「あれ?あれ、咲良ちゃんじゃない?」
涼介の隣に来た颯太が言った。
「ホントだ。一緒に居るの、由衣達じゃねーな。」
蓮の言葉にもう一度咲良を見て、涼介は固まった。
咲良が数人の女子に囲まれていた。
「あれ、よく、お前にくっついてた女じゃね??」
「あー、そういえば・・・」
颯太が言いにくそうに
「涼介が咲良ちゃんを送ってるのは、咲良ちゃんのお兄ちゃんに強制されたからだって言う噂が立ち始めてるって聞いたような、聞かないような。」
颯太の言葉に、涼介は教室を飛び出して行った。
涼介は、人生で一番真剣に走った。
さっき見えた場所に行くと、咲良はまだ女子に囲まれていた。
「ちょっと、顔が可愛いからって、図々しすぎるんじゃない?」
刺々しい言葉が、涼介まで届く。
涼介からは咲良の顔がよく見えない。
「お兄ちゃん使ってまで、涼介に近づきたいの??」
咲良に対する攻撃は止まらない。
「ちょっと、待って!!」
息を切らしながら叫んだ涼介に、全員が驚いた顔で振り返る。
「りょうすけ・・・」
「み、みんな何やってるの??」
息を切らしながらも、涼介は出来るだけ穏やかに言った。
「涼介が鈴木さんを送って行ったのは、鈴木さんのお兄さんに脅されてたから何でしょ?」
どこでそうなったのか、話が拗れていた。
「何それ?脅されてなんかいないよ?」
穏やかに微笑む涼介だが、心の中は苛立っていた。
「だって、鈴木さんのお兄さんと涼介のお兄さん友達なんでしょ?
鈴木さんのお兄さん、怖い人だって、涼介が言ってたって!!」
司のことを威圧感があると言ったのが尾ひれがついてしまったようだ。
「確かに、兄貴と咲良ちゃんのお兄さんは友達だけど、今回は関係ないよ。」
だって、頼んだのは、司ではなく巧だ。
「でも、自分から送って行きたかったわけじゃないでしょ?
最近、私たちと遊んでくれないのも、そのせいなんでしょ??!!」
ちょっと、ヒステリー気味に声を荒げる子に対して、涼介はうんざりしてしまった。
咲良なら、そんなに無遠慮に人の心を推測して押し付けたりしない。
チラッと見える時計が、後わずかで昼休みが終わる事を教えた。
(なんとか、この場で収集つけとかないと。)
どうしたものかと考えていると、咲良が
「ごめん、私がわがままを言ったばっかりに・・・」
小さな声で言った。
次の日の昼休み、涼介は蓮と颯太の前でつぶやいた。
「いやいや、今更だろ。」
「そうだよ。今更だよ。」
二人に言われ、涼介はふくれた。
「でもさぁ、涼介もあえて咲良ちゃんっていうのがね〜」
「そうだな。あえての鈴木さんだな」
「それってどう言う意味?」
二人に言われ、不思議に思った涼介が尋ねると、
「だって、涼介ならもっと簡単に付き合える子いるでしょ。」
「そうそう。涼介が好きになった時点で、もう何の問題もない感じ。」
ニヤニヤしながら言う二人に、からかわれていると自覚しながらも、涼介は反論した。
「簡単に付き合えるとかで、人を好きになったりしないでしょ!」
涼介の台詞に二人は更にニヤニヤした。
「はぁ〜」
窓辺に肘をついて、外を見れば、見覚えのある姿が見える。
「あれ?あれ、咲良ちゃんじゃない?」
涼介の隣に来た颯太が言った。
「ホントだ。一緒に居るの、由衣達じゃねーな。」
蓮の言葉にもう一度咲良を見て、涼介は固まった。
咲良が数人の女子に囲まれていた。
「あれ、よく、お前にくっついてた女じゃね??」
「あー、そういえば・・・」
颯太が言いにくそうに
「涼介が咲良ちゃんを送ってるのは、咲良ちゃんのお兄ちゃんに強制されたからだって言う噂が立ち始めてるって聞いたような、聞かないような。」
颯太の言葉に、涼介は教室を飛び出して行った。
涼介は、人生で一番真剣に走った。
さっき見えた場所に行くと、咲良はまだ女子に囲まれていた。
「ちょっと、顔が可愛いからって、図々しすぎるんじゃない?」
刺々しい言葉が、涼介まで届く。
涼介からは咲良の顔がよく見えない。
「お兄ちゃん使ってまで、涼介に近づきたいの??」
咲良に対する攻撃は止まらない。
「ちょっと、待って!!」
息を切らしながら叫んだ涼介に、全員が驚いた顔で振り返る。
「りょうすけ・・・」
「み、みんな何やってるの??」
息を切らしながらも、涼介は出来るだけ穏やかに言った。
「涼介が鈴木さんを送って行ったのは、鈴木さんのお兄さんに脅されてたから何でしょ?」
どこでそうなったのか、話が拗れていた。
「何それ?脅されてなんかいないよ?」
穏やかに微笑む涼介だが、心の中は苛立っていた。
「だって、鈴木さんのお兄さんと涼介のお兄さん友達なんでしょ?
鈴木さんのお兄さん、怖い人だって、涼介が言ってたって!!」
司のことを威圧感があると言ったのが尾ひれがついてしまったようだ。
「確かに、兄貴と咲良ちゃんのお兄さんは友達だけど、今回は関係ないよ。」
だって、頼んだのは、司ではなく巧だ。
「でも、自分から送って行きたかったわけじゃないでしょ?
最近、私たちと遊んでくれないのも、そのせいなんでしょ??!!」
ちょっと、ヒステリー気味に声を荒げる子に対して、涼介はうんざりしてしまった。
咲良なら、そんなに無遠慮に人の心を推測して押し付けたりしない。
チラッと見える時計が、後わずかで昼休みが終わる事を教えた。
(なんとか、この場で収集つけとかないと。)
どうしたものかと考えていると、咲良が
「ごめん、私がわがままを言ったばっかりに・・・」
小さな声で言った。