難攻不落な彼女
それからテスト期間に入っても、涼介と咲良はすれ違い続けた。
席は隣のはずなのに、二人の間には不自然なくらい会話が無い。
涼介は話しかけたいのに、咲良から拒絶オーラが出ているようで、話しかけられない。
そんなもどかしい日々を過ごしている涼介が、部屋で勉強していると、
「りょーすけー」
下から、涼介を呼ぶ声がした。
「なんだよ!」
部屋の扉をあけて、叫ぶと
「お前に客だぞー、下りてこーい!!」
「客?」
誰だろう?そんな事を思いながら、下りて行くと、そこに居たのは、咲良の兄の司だった。
「つ、司君??!!」
驚く涼介を気に留めることなく、司が話す。
「よっ、咲良が世話になったな。これ、つまらないモノですが・・・」
司は、紙袋を差し出した。
「それ何?」
横で見ていた陽介が、尋ねると、司が
「菓子。」
簡素に答える。
「やったー!!食べても良い??」
嬉しそうに尋ねる陽介に、司が答える。
「あぁ、涼介に持って来たもんだから、涼介がいいならいいぞ。」
それを聞いた陽介は、涼介を見ながら、
「いい??」
と尋ねて来た。
「いいよ。」
涼介がそう言うと、
「やったー!!」
そういって、司から紙袋を受け取り持って行ってしまった。
「あ、あの何で、俺に菓子?」
「だから、咲良を毎日家まで送り届けてくれただろう?
その礼だ。」
「あぁ・・・」
「どうかしたか?」
いまいちすっきりしない涼介に司が尋ねた。
「いや、別にどうもしないんですけど・・・」
「なら、何でそんな顔してる?」
どんな顔だろう?そんな事を思いつつ司を見ると、司がじっと涼介の目を見つめて来た。
咲良に似たその眼差しに、妙に居心地が悪くなる。
「恵介が言ってたぞ、最近涼介の機嫌が悪いって。」
「へ?」
「涼介の機嫌が悪くて、晩飯がずっとカップ麺か買った弁当だって。」
「それは・・・」
咲良に無視されてるなんて、司に言えるわけがない。
そもそも、言ってどうすんだって話だ。
何て言おうか考えて考えて、
「っていうか、兄貴、そんな話してんですね。」
話をそらしてしまった。
席は隣のはずなのに、二人の間には不自然なくらい会話が無い。
涼介は話しかけたいのに、咲良から拒絶オーラが出ているようで、話しかけられない。
そんなもどかしい日々を過ごしている涼介が、部屋で勉強していると、
「りょーすけー」
下から、涼介を呼ぶ声がした。
「なんだよ!」
部屋の扉をあけて、叫ぶと
「お前に客だぞー、下りてこーい!!」
「客?」
誰だろう?そんな事を思いながら、下りて行くと、そこに居たのは、咲良の兄の司だった。
「つ、司君??!!」
驚く涼介を気に留めることなく、司が話す。
「よっ、咲良が世話になったな。これ、つまらないモノですが・・・」
司は、紙袋を差し出した。
「それ何?」
横で見ていた陽介が、尋ねると、司が
「菓子。」
簡素に答える。
「やったー!!食べても良い??」
嬉しそうに尋ねる陽介に、司が答える。
「あぁ、涼介に持って来たもんだから、涼介がいいならいいぞ。」
それを聞いた陽介は、涼介を見ながら、
「いい??」
と尋ねて来た。
「いいよ。」
涼介がそう言うと、
「やったー!!」
そういって、司から紙袋を受け取り持って行ってしまった。
「あ、あの何で、俺に菓子?」
「だから、咲良を毎日家まで送り届けてくれただろう?
その礼だ。」
「あぁ・・・」
「どうかしたか?」
いまいちすっきりしない涼介に司が尋ねた。
「いや、別にどうもしないんですけど・・・」
「なら、何でそんな顔してる?」
どんな顔だろう?そんな事を思いつつ司を見ると、司がじっと涼介の目を見つめて来た。
咲良に似たその眼差しに、妙に居心地が悪くなる。
「恵介が言ってたぞ、最近涼介の機嫌が悪いって。」
「へ?」
「涼介の機嫌が悪くて、晩飯がずっとカップ麺か買った弁当だって。」
「それは・・・」
咲良に無視されてるなんて、司に言えるわけがない。
そもそも、言ってどうすんだって話だ。
何て言おうか考えて考えて、
「っていうか、兄貴、そんな話してんですね。」
話をそらしてしまった。