難攻不落な彼女
涼介が、今までしゃべったことの無い女の子や、顔なじみの女の子に囲まれてご機嫌でいると、聞き慣れた声が聞こえてきた。

「相変わらず、モテるな」

悪友の、橘蓮だ。「名前だけなら、俺の方がかっこいい」が口癖の彼は、涼介とはタイプが違うがイケメンだ。

黒髪のストレートで、襟足が少し長め。180cmの長身に男らしい顔立ちだ。

「よっ!蓮!」

「おはよう、橘君!」


涼介と話していた女の子たちも声をかける。


「お前、席どこ?」

「お前の隣の後ろの後ろ。」


涼介の問いに、蓮が答える。


「っていうか、お前の隣、あの鈴木さんなんだな。」

蓮が言うと、涼介の真ん前に立っていた女の子が声を上げた。


「えぇ〜!涼介君の隣、鈴木さんなの?すごい!!」


何がすごいかわからない涼介。


「蓮、鈴木さん知ってるの?」


「いやいや、お前、鈴木さん知らないの?8組のイケメン女子」


涼介は、蓮の『イケメン女子』という言葉で思い出した。
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