君と、優しくて愛しい日々を。
『行く行く。未海にばっか来てもらうのは悪いしさ』
「そ、そんな、私べつに気にしないのに」
『俺が気にすんのー』
今日だって、冬休みはどうやってナツのところへ行こうかなぁ、って考えてたのに。
ナツが会いに来てくれるなんて、全く考えてなかったよ。
「ほ、ほんとにいいの?会いたいって言ったの私だし、ナツ、忙しいんじゃ…」
彼は大学の近くでアルバイトを始めたり、サークルに入ったりと、何かと忙しそうで。
だから、今年の夏休みであの海の家のバイトも、辞めることになったんだよね。
一応付き合ってるんだし、一度でいいから会えないかなぁ、なんて思って、このあいだ言ってみたんだけど。
…冬休みもバイトで忙しそうだし、私はこの毎週末の電話だけで、嬉しいし…
そんなことをぐるぐる考えながら、『大丈夫だって』と言ってくれるナツに、「ほんと?」と繰り返す。
そしたらやがて、ナツがイラついた声で『いいっつってんの!』と言ってきた。
「うわぁっ、ご、ごめん!わかった…!」
慌てて謝ると、ナツはツンとした声で『ん』と言う。